ゲートウェイ・センサーのスペック

e-kakashi対応 土壌センサ- SLT5006
製品紹介

SLT5006 は、土壌 EC(肥料濃度)・含水率(VWC)・温度を 1 本で同時に計測できる村田製作所製の高精度土壌センサです。露地栽培から施設園芸、水耕栽培まで幅広く利用でき、e-kakashi navi と組み合わせることで、灌水や施肥のタイミングを「見える化」します。


SLT5006 の特長

  • 3つの指標を1本で計測:EC(肥料濃度)、VWC(土壌水分)、温度
  • 高い防水性:IP68 構造で圃場・ハウスに常設可能
  • 土壌タイプ別モデル:一般土壌・砂礫・ココピートなどに対応
  • 高精度・高速測定:最大約4秒で測定完了
  • UART 通信:e-kakashi センサノードなど IoT 機器と接続しやすいデジタル出力

こんな課題におすすめ

  • 「水やりのタイミングが感覚頼りになっている」
  • 「肥料をどれくらい与えるべきか判断しづらい」
  • 「ハウス内の環境は取れているが、根の周りの状態がわからない」
  • 「水や肥料の無駄を減らしたい」

SLT5006 で根域(根の周り)の状態を数値化することで、灌水・施肥の「やりすぎ」「足りない」を減らすことができます。


測定できる項目

1. EC(電気伝導度)

土壌中の肥料成分(イオン)の濃さを表す指標です。

  • 単位:dS/m
  • 肥料過多・塩害リスクの確認に利用
  • 灌水前後の EC 変化を見ることで、肥料の効き方や蓄積状況がわかります。

2. VWC(土壌水分・体積含水率)

土の中にどれくらい「水」が入っているか(%)で示す指標です。

  • 20〜40%:一般的な適水範囲(作物や土壌で変動)
  • 15%以下:乾燥ストレスの可能性
  • 50%以上:過湿・根腐れリスク

3. 温度

根の周りの温度(℃)を直接計測します。地温は根の活性と直結するため、地上の気温だけではわからない「根の環境」を把握できます。


センサ仕様

物理仕様

項目内容
外形サイズ132.5 × 27 × 16.2 mm
ケーブル長3 m
防水性能IP68(防塵・水中使用可能)
動作温度範囲-20〜60 ℃
保存温度範囲-20〜60 ℃

測定仕様

測定項目測定範囲分解能精度
EC(Bulk / Pore) 0〜5 dS/m 0.001 dS/m ±3 %FS
VWC(体積含水率) 0〜96 % 0.1 % ±3 %FS
温度 -20〜60 ℃ 0.0625 ℃ ±1.0 ℃

動作仕様

項目内容
電源電圧3.0〜6.0 V
消費電流約25〜30 mA(測定時)
通信方式UART(9600bps, 8bit, パリティ無し, 1ストップビット)

設置のポイント

  1. 作物の根が最も多い位置に差し込みます。
  2. 石や大きな空気のすき間を避け、センサと土がしっかり密着するようにします。
  3. ハウスの場合は、代表的な株の列・中央付近に設置するとデータが安定します。
  4. 一度深さと位置を決めたら、基本的には同じ場所に固定してください。

データの見方(基本の考え方)

1. 乾燥の兆候

  • VWC が 20%を下回る状態が続く
  • EC が上昇傾向(肥料分だけが濃くなっている状態)

→ 灌水のタイミングが遅れている可能性があります。

2. 肥料過多・塩害リスク

  • EC が高く、灌水してもなかなか下がらない
  • 葉先からの枯れ込み・生育停滞が見られる

→ 肥料量の見直しや、清水灌水による洗い流しが必要な場合があります。

3. 過湿

  • VWC が高い状態で長期間推移
  • EC は低いのに生育が鈍い

→ 根の呼吸ができておらず、根腐れリスクがあります。


e-kakashi との連携メリット

  • SLT5006 のデータを e-kakashi navi 上で自動記録・グラフ化
  • 温度・水分・EC の推移と、灌水・施肥の履歴を合わせて確認可能
  • 「どのくらいの VWC を維持すると生育が良いか」を栽培ごとに蓄積できる
  • 圃場ごとの灌水基準・EC管理基準を決めることで、担当者が変わっても安定した栽培が可能

SLT5006 と e-kakashi を組み合わせることで、経験や勘だけに頼らず、データにもとづいた栽培管理が可能になります。

より詳細に確認したい方は以下のPDFをDL下さい。

村田製作所 土壌センサSLT5006

e-kakashi対応 CO₂センサ IMG-CA0013-11
製品紹介

IMG-CA0013-11 は、村田製作所製のCO₂(二酸化炭素)濃度センサです。農業用環境モニタリングシステムに接続して、温室・ハウス内の CO₂ 濃度を高精度に計測できます。e-kakashi navi と組み合わせることで、CO₂制御や換気タイミングの最適化に活用できます。


IMG-CA0013-11 の特長

  • 0〜3000 ppm の CO₂濃度を計測(農業用途に十分なレンジ)
  • アナログ電圧出力(0〜4.5V)で e-kakashi の環境ノードと接続しやすい
  • 自動校正(ABC)機能搭載で、長期運用でも信頼性が高い
  • 12V / 24V 電源対応で既存設備に組み込みやすい
  • ハウス環境を想定した耐温度・耐湿・防湿コーティング仕様

こんな課題におすすめ

  • CO₂施用や換気をしているが、実際の濃度がわからない
  • CO₂ボンベ代・燃料代を抑えながら、光合成効率を上げたい
  • 作業者の勘ではなく、データに基づいて換気制御を行いたい

IMG-CA0013-11 で CO₂濃度を見える化することで、無駄のない CO₂施用・換気が可能になります。


測定できる項目

CO₂濃度(ppm)

温室・ハウス内の CO₂ 濃度を 0〜3000 ppm の範囲で計測します。

  • 植物の光合成が活発になる範囲:おおよそ 700〜1000 ppm(作物により異なります)
  • 外気レベル:400 ppm 前後
  • 濃度が高すぎると、作業者の体調に影響する恐れもあります。

e-kakashi に接続することで、CO₂施用装置や換気との連携・見える化が可能です。


センサ仕様

1. 物理仕様

項目内容
外形サイズ約 80 × 125 × 32 mm(ケーブル部除く)
ケース材質ABS樹脂(UL94V-0)、金具:SUS
ケーブル長添付仕様に準拠(専用ケーブル付属)
取付方法取付金具によるビス固定

2. 電気仕様(入出力特性)

項目詳細
供給電圧 DC 12 V ±2.0 V / DC 24 V ±2.4 V
消費電流(平均) 約 50 mA(DC12V)、約 45 mA(DC24V)
消費電流(ピーク) 最大 200 mA(DC12V)、最大 100 mA(DC24V)
出力形式 アナログ電圧出力 DC 0〜4.5 V(CO₂濃度に比例)

3. CO₂濃度測定特性

項目詳細
測定範囲 0〜3000 ppm
測定精度 ±(50 ppm + 読み値の5%)
ウォームアップ時間 約 180 秒
測定間隔 約 5 秒ごと
圧力依存性 Typ. 0.14 % / hPa

4. 自動校正(ABC)機能

項目詳細
校正方式 自動バックグラウンド校正(Auto Baseline Correction)
代表的な校正時間 Typ. 約 167 秒
条件 ウォームアップ完了後、一定時間以上の安定環境下で自動的にオフセット調整

5. 使用環境

項目詳細
使用温度範囲 0〜50 ℃
使用湿度範囲 0〜95 %RH(結露なきこと)
使用気圧範囲 700〜1300 hPa
保存温度範囲 -10〜50 ℃(結露なきこと)
基板保護 防湿コーティング済み

設置・配線のポイント

  1. CO₂センサ本体を、温室内の人・作物がいる高さ付近に設置します。
  2. 換気扇や CO₂噴出口の直近を避け、代表的な空気が溜まる位置を選びます。
  3. センサケーブルは、e-kakashi 環境ノードの対応端子に接続します(電源+/−、信号+/−)。
  4. 電源投入後、ウォームアップ時間(約3分)経過後の値を目安にしてください。

データの見方(基本の考え方)

1. CO₂施用の最適化

  • 外気(約400 ppm)に対して、目標値を 700〜1000 ppm 程度に設定するケースが一般的です。
  • e-kakashi 上で CO₂濃度の推移と CO₂施用・換気のタイミングを確認することで、施用過多の削減が期待できます。

2. 換気のタイミング

  • CO₂濃度が高すぎる場合、作業者の安全面からも換気が必要です。
  • 温度・湿度・CO₂を合わせて見ることで、作業環境としての快適性も管理できます。

e-kakashi との連携メリット

  • CO₂・温度・湿度などの環境データを自動記録・グラフ化
  • CO₂施用・換気の履歴と合わせて、最適な濃度レンジを圃場ごとに蓄積
  • 担当者が変わっても、数値基準に基づいた CO₂管理が可能

IMG-CA0013-11 と e-kakashi を組み合わせることで、経験や勘だけに頼らない、データドリブンな環境制御を実現できます。

より詳細に確認したい方は以下のPDFをDL下さい。