e-kakashi 導入時に知っておきたい専門用語集
e-kakashi(イーカカシ)は、ほ場の環境をセンサーで見える化し、
AIで栽培をナビゲーションするスマート農業サービスです。
ただ、「積算気温」「飽差(VPD)」「NDVI」「ゲートウェイ」など、
初めて聞く専門用語が多く、導入時に戸惑いやすいのも事実です。
このページでは、e-kakashi を始めるときによく出てくる用語を、
できるだけやさしい言葉でまとめました。
導入検討中の方への説明や、社内・農家さんへの共有資料としてもご活用いただけます。
🌤️
環境・気象データに関する用語
| 用語 |
意味・概要 |
| 🌡️ 積算気温 |
一定期間の気温を合計した値。作物が「どれくらいの暖かさをためたか」を表し、生育ステージや収穫適期の予測に使われる。 |
| ☀️ 積算日射量 |
一定期間の太陽光量の累積値。光合成量の目安となり、生育の進み具合や収量予測に役立つ。 |
| 💧 飽差(VPD) |
空気が「あとどれだけ水蒸気を吸えるか」を表す指標。大きいほど乾燥しており、植物の蒸散・乾燥ストレスが強くなる。潅水や換気の判断に重要。 |
| 📊 日平均 |
1日の気温・湿度・日射量などの平均値。その日の全体的な傾向を把握するための指標。 |
| ⚡ 瞬間値 |
センサーが測った、その瞬間の値。これらの連続データから日平均や積算値が計算される。 |
| 🌡️ 気温 |
空気の温度。作物の生育スピードや病害虫の発生タイミングに大きく影響する基本的な環境指標。 |
| ☀️ 日射量 |
太陽光がどれだけ当たっているかを示す量。光合成や温度上昇に関わり、ハウス管理や遮光の判断材料となる。 |
| 💦 相対湿度 |
空気中の水蒸気量が、その温度での飽和量に対して何%かを示したもの。結露やカビ、病害発生のリスクと関係する。 |
| 💧 絶対湿度 |
空気中に含まれる水蒸気の「量」を表したもの(例:g/m³)。相対湿度よりも実際の水分量に近い指標。 |
| 🌫️ 露点温度 |
空気が冷やされて結露し始める温度。内部結露やカビ・病害のリスクを考えるときに重要。 |
| 🌀 気圧 |
空気の重さ(圧力)。天候の変化と関係し、急激な気圧変化は風や雨の発生につながる。 |
| 💨 風速 |
風の強さ。体感温度や蒸散、ハウスの換気効率などに影響する。 |
🌱
土壌・作物生育に関する用語
| 用語 |
意味・概要 |
| 🌱 土壌水分量(体積含水率) |
土の中にどれだけ水が含まれているかを示す値。潅水のタイミングや量を判断するうえで重要。 |
| 🌡️ 土壌温度 |
土の温度。根のはたらきや養分吸収、生育スピードに大きく影響する。 |
| ⚡ 土壌EC |
土壌の電気伝導度。肥料成分の濃さの目安になり、濃すぎると根傷みなどの原因となる。 |
| 🧪 土壌pH |
土が酸性かアルカリ性かを示す値。作物ごとに適したpHがあり、肥料の効き方や病害の出やすさにも関わる。 |
| 🌿 生育ステージ |
発芽・苗・生育期・開花・結実・成熟など、作物の成長段階。施肥や潅水、防除のタイミングを決める基準になる。 |
| 📈 生育指数 |
作物の生育状況を数値化した指標。葉数や草丈、NDVIなどから算出されることが多い。 |
| 📅 生育到達予測(積算温度法) |
積算気温などを利用し、「いつ頃このステージに達するか」を予測する手法。作業計画や収穫予測に活用される。 |
| 🧺 収穫適期予測 |
環境データと生育データをもとに、品質・収量がもっとも良くなる収穫タイミングを推定する機能。 |
| 🪲 病害虫予測 |
気温・湿度・降雨などの条件から、病害虫が発生しやすい時期を予測する機能。防除計画に利用される。 |
| 💧 蒸散 |
植物が葉から水分を空気中に放出する現象。飽差が大きいほど蒸散が増え、潅水需要も増える。 |
🔧
センサー・ハードウェアに関する用語
| 用語 |
意味・概要 |
| 🌡️ 温湿度センサー |
気温と湿度を測定するセンサー。ハウス内外の環境監視の基本となる。 |
| ☀️ 日射センサー |
太陽光の強さを測るセンサー。積算日射量や遮光・カーテン制御の判断に使われる。 |
| 🌱 土壌温度・体積含水率・ECセンサー |
土壌温度、水分量、肥料濃度(EC)を同時に測定するセンサー。根圏環境の把握に役立つ。 |
| 💧 水深センサー |
水田やタンクなどの水位を測るセンサー。水管理の自動化・省力化に貢献する。 |
| 🌫️ CO₂センサー |
空気中の二酸化炭素濃度を測るセンサー。光合成効率や換気の判断に用いられる。 |
| 🌡️ サーミスター(多点温度計) |
複数の温度を同時に測定できる温度センサー。ハウス内の上下や複数ポイントの温度分布を把握する。 |
| 📡 Portable IoT Gateway(ゲートウェイ) |
各種センサーからデータを受け取り、携帯電話回線などを通じてクラウドへ送信する中継装置。 |
| 🔋 ソーラーパネル |
太陽光を電力に変換するパネル。電源が取りにくい圃場でもセンサーやゲートウェイを動かせる。 |
| 🔋 ニッケル水素電池 |
充電可能な電池の一種。ソーラーパネルと組み合わせて、日照がない時間帯の稼働を支える。 |
| 🛡️ IP55 |
防塵・防水性能の等級。粉じんや水しぶきがかかる屋外環境でも使用できるレベルを示す。 |
📡
通信・運用条件に関する用語
| 用語 |
意味・概要 |
| 📶 4G / LTE 通信 |
携帯電話網を利用した無線通信方式。圃場からクラウドへデータを送るのに使われる。 |
| 📡 LPWA |
低消費電力で長距離通信できる無線技術の総称。バッテリー駆動のセンサーを遠くまでつなげるのに適している。 |
| ⏱️ 計測間隔 |
センサーがデータを測定する頻度(例:10分ごと)。間隔が短いほどきめ細かいデータになるが、電力消費も増える。 |
| 📨 送信間隔 |
ゲートウェイがクラウドへデータを送る頻度(例:1時間ごと)。省電力運用のポイントになる。 |
| 🛠️ リモート制御 |
クラウド側から計測間隔や設定、ファームウェアなどを遠隔で更新・変更できる機能。 |
| 💾 ファームウェア更新 |
センサーやゲートウェイ内部のソフトウェアをアップデートすること。新機能追加や不具合修正に使われる。 |
| 📍 GPS(位置情報) |
衛星から位置情報を取得する仕組み。ゲートウェイやほ場の場所を特定し、地図上で管理するのに役立つ。 |
アプリ・機能
📱
アプリケーション・機能に関する用語
| 用語 |
意味・概要 |
| 📱 e-kakashi Navi |
ほ場の環境データを確認するアプリ。瞬間値だけでなく、日平均・積算気温・積算日射量・飽差なども自動計算して表示する。 |
| 📊 e-kakashi Analytics |
複数ほ場の環境データや作業記録を一元管理・分析できる「農業版BIツール」。営農指導や研究用途に向く。 |
| 📝 e-kakashi Note |
作業予定・実績、生育調査などを記録する作業管理ツール。作業漏れ防止や高度な栽培管理に役立つ。 |
| 📅 ekレシピ(電子栽培ごよみ) |
生育ステージごとに栽培のポイントや目安値をまとめた電子カレンダー。しきい値を設定し、アラートを出すことができる。 |
| 🚨 アラート(収穫・病害虫アラート) |
収穫適期や病害虫リスクなど、設定条件を満たしたときに通知する機能。作業タイミングを逃さないための仕組み。 |
| 📌 フィールド |
e-kakashi 上で管理する「ほ場単位」のこと。環境データ・作業記録・レシピなどがひも付く基本単位。 |
| 🧩 コンポーネント(分析コンポーネント) |
特定の分析に特化した部品(グラフや表など)。組み合わせることで、自分の見たい分析画面を作れる。 |
| 🎚️ しきい値 |
「この値を超えたらアラートを出す」など、判断の基準となる上下限値。作物や地域ごとに設定できる。 |
| 📋 作業記録 |
潅水・施肥・防除・収穫など、行った作業を日付・内容とともに残すデータ。あとから効果検証を行うための基礎となる。 |
| 🌿 生育記録 |
草丈・葉数・茎数・開花状況など、作物の生育状況を記録したデータ。環境データとの組み合わせ分析に使われる。 |
データ活用・経営・全体像
📈
データ活用・経営・全体コンセプトに関する用語
| 用語 |
意味・概要 |
| 📊 農業版BIツール |
BI(Business Intelligence)の考え方を農業に応用した分析ツール。データから原因や改善策を読み解き、経営判断に活かす。 |
| 🔄 栽培ナビゲーション |
「今・これまで・これから」のほ場状況を見える化し、「今なにをすべきか」を提案する仕組みの総称。 |
| 📦 トレーサビリティ |
生産・出荷までの履歴をデータで追跡できるようにする仕組み。品質保証やブランド価値向上に役立つ。 |
| 🌍 環境保全 |
水や肥料を「必要なだけ」使うことで、資源のムダづかいを減らし、環境負荷を下げる取り組み。 |
| 💧 水資源の最適利用 |
センサーやAIを活用し、必要なタイミング・量だけ潅水することで、水使用量を削減しながら生育を維持・向上させる考え方。 |
| 🌳 CO₂吸収量推定 |
環境データと独自アルゴリズムを用いて、緑地や作物がどれくらいCO₂を吸収しているかを推定する仕組み。 |
| 👥 技術継承 |
熟練の生産者の勘や経験をデータやレシピとして残し、若手や新規就農者に引き継ぐこと。 |
| 🏞️ ほ場(圃場) |
作物を栽培している田畑やハウスなどの区画。e-kakashi ではデータ管理の最小単位として扱われる。 |